『史記 武帝記 5』 北方謙三

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北方史記は全7巻だそうなので、折り返しが過ぎ、終わりが少しだけ見えてきた感じです。
衛青も霍去病も死んで、役者が不足してきたのではないかと心配しておりましたが、5巻ではまた違った楽しみ方ができました。
5巻では以下のような人物の様子が描かれています。

■李陵

5000の歩兵で戦い、結果的に降将となった李陵は、匈奴の地で暮らすうちに、狐鹿姑(ころくこ)や頭屠(とと)たちと心を通わせるようになります。
それでも匈奴軍とは距離を置いていたのですが、漢との戦で指揮をとったことを疑われ「族滅(一族の皆殺し)」という処罰を受けます。
これで李陵が吹っ切れてしまい、匈奴軍に加わるようになってしまいました。
衛青や霍去病が活躍していたころは漢軍を応援していたのですが、5巻あたりから匈奴に頑張ってほしいという気持ちになってきました。

■司馬遷

李陵の敗戦を弁護したために、宮刑(腐刑)を言い渡されてしまいます。贖い金を払えば済む話だったのですが、頑固なんですよね、司馬遷は。
その刑がどういった内容のものなのか、よくわからなまま刑は執行されます。
この辺の描写はエグイです…。
しかし男でなくなったことで、太司令から中書令に出世して、プライベートな時間を使って書物の執筆に勤しむんですね。
この刑があったからこそ、史記は生まれたということでしょうか。

■蘇武

5巻で最もおもしろかった人物です。
北の僻地に追放された蘇武が、酷寒の地で生き抜く様子がキャンパーのブログみたいなんですよね。
どんどん家が快適になり、食生活が豊かになっていきます。
北方文学で楽しみなのが、このサバイバル食。
三国志では張飛の野戦料理もおいしそうだったなぁ。
読んでると、鹿の生肉とか普通に食べられそうですもんね。
ところで、たまに出てくる「空が割れる」寒さとはいったい何でしょう?

■劉徹

わがままがだんだん強くなりすぎちゃって、ちょっと手を付けられなくなりつつあります。
武帝の評価としては、前半は匈奴撃退、領土拡大で◎、だけど後半は財政破綻を招いたということで×というのが一般的なようです。
なぜ名君が暗君に変わっていったのか。
心の闇の広がりがよくわかります。

これからクライマックスに向けて、どのように話が進むのか。
李陵と蘇武は再会するのか。
司馬遷はまた劉徹にガツンとかますのか。
そのあたりを楽しみにしながら、6巻に突入です!

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